宗教主任 石垣 雅子

聖書の言葉

主に喜ばれる道を歩む人を 主は敵と和解させて下さる。
稼ぎが多くても正義に反するよりは 僅かなものでも恵みの業をする方が幸い。
人の心は自分の道を計画する。主が一歩一歩を備えて下さる。

日本聖書協会『新共同訳 新約聖書』 箴言16章7-9節

i(3月13日)

ここにいる中学生の皆さんは将来どのような職業につきたいと考えているでしょうか。あるいは、どんな夢を持っているでしょうか。そんな先のことはわからないと考える人もいるかもしれません。考え中だという人もいるかもしれません。でも、この中には、将来こういう仕事をしたいとか、こんな夢をかなえたいとか考えている人もいるはずです。ぜひ、そうなれるようにこれから努力をしていって欲しいと思います。

では、一体仕事をするのは何故でしょう。仕事をするというのは、もちろん自分が生きていくためです。そして、自分の家族が生きていくためです。皆さんが学校に来て、毎日勉強したり部活をしたり、あるいは楽しい時間を過ごせたりするのは皆さんの保護者の方々が働いたお金を皆さんのために遣ってくれているからですね。そういう意味において、皆さんは現在保護者に養われているわけです。仕事をするというのはお金を稼ぎ生きていくため、養っていくためだということはおわかりいただけると思います。

けれども、お金を稼げればそれで全てオッケーなのでしょうか。もし、お金を稼ぐことだけが仕事の意味だとすれば、悪いことをしたとしてもお金をたくさん稼ごうとする人がたくさん出るかもしれません。人をだましたり、人を傷つけたりしてお金を稼ごうとしてしまう人が出てくるかもしれません。今もちょっとはそういう人がいます。ニュースにもなったりしますね。それは決して許されることではありません。

仕事をするということは、自分のためにすることです。が、同時にこの社会のためにもするということなのです。この社会がより良い社会、より住みやすい社会になるために色々な人が自分の仕事をするということなのです。プロ野球選手はグランドで、公務員は役所で、医師や看護師は病院で、わたしたち教師は学校で、自分のために、そして社会のために仕事をしている。皆さんもやがてその役割に参加していくのです。そのときのため、今できる努力をして欲しいと願っています。

ii(3月16日)

昨晩自宅で何気なくテレビを見ていました。色々な仕事を紹介する番組をやっていたのです。昨日は空港の「運航支援者」という仕事を取り上げ紹介していました。「運航支援者」という仕事は、空港にいて、その空港の天候がどうかとか、風や気流がどうなっているかなどを判断し、飛行機を安全に着陸・離陸させるという仕事でした。わたしは、そういう仕事があることを昨日のテレビ番組ではじめて知りました。飛行機を飛ばすのは誰か知っていますね。パイロットという仕事です。でも、パイロットだけでは飛行機は飛ばないのです。たくさんの人々がかかわることで、一機の飛行機が安全に飛ぶことができるわけで、昨日わたしがテレビで見た「運航支援者」という仕事もその中の一つなのだということです。

先日(3月13日)、わたしは仕事をするということの意味を少しだけ皆さんにお話しました。仕事をするということは自分のため、自分が生きていくためにするのだけれど、それだけではなく、この社会のため、この社会がより良くなるためにもするのだとお話しました。パイロットだけ、キャビンアテンダントだけでは飛行機は飛ばせない。色々な仕事の人が一機の飛行機を飛ばすためにかかわっている。わたしたちの目にはふれないところにいて、機体を整備している人とか、荷物の積みおろしをする人とか、機内の掃除をする人とか、あるいは「運航支援者」とか、本当に様々な仕事の人がいるのだということに改めて気づかされました。そして、この社会が成り立っているのと同じなのだと思わせられました。

はなやかで目につく仕事だけがこの社会に役立っているのではないのだということです。目にふれることがなくとも、その場で自分の仕事を忠実に果たしているたくさんの人々がいる。だからこそ、この社会が成り立っているのだと思います。働くということ、仕事をするということは尊いことです。今、皆さんはこの学校でそのための準備をしている途中なのだと思います。今できる準備をしっかりとして欲しいと思います。