黄金比

ピラミッド

 ラクダの向こうに見えるのは何だかご存じですか。そう。有名なピラミッドです。でも、一番大きいのがクフ王のピラミッドと呼ばれているのは知っていましたか。クフ王のピラミッドにはたくさんの不思議な数がひそんでいます。例えば、底面の正方形の1辺の長さ230.4mと高さ146.6mを用いて、一辺の長さを2倍して高さで割ると約3.14、つまり円周率πに近い値が得られます。
 また、ピラミッドの高さを半径とする球の大円の周(赤道をイメージして下さい)の長さは、ほぼピラミッドの底面の周の長さに等しくなります。


ピラミッドの黄金比

 もう一つ、ピラミッドの側面にある三角形を図のようにすると、古来より、西洋の人々に最も愛されてきた「黄金長方形」とほぼ同じ形の長方形が得られます。今日はこの黄金長方形のお話をしましょう。


パルテノン

 こちらはパルテノン神殿です。この黄金長方形はギリシャ時代に造られたパルテノン神殿にも見られ、このことを最初に発見したのは、エウドクソス(B.C.408〜355)であると言われています。


パルテノンの黄金比

 図の赤と青の長方形が黄金長方形になっています。このように、数々の有名なヨーロッパの建造物や、さらに彫刻にも、この長方形で用いられている比が見られることを、パチオリ(1445〜1509)が、著書「神の比例」で紹介しています。
 パルテノン神殿を造ったギリシャ時代の人々にとって、どこか神秘的な魅力を持つ黄金長方形は、「神を讃え奉る場所にこそ相応しい」ということだったのでしょうか?




弘前学院聖愛高等学校
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