●コンピュータはプログラムを自分で作って動かすものでした。しかし、そう簡単にできるものではありませんでした。当然他人のためにプログラムを作ってあげる人が現れ、職業として成り立つようになります。
●初めは、使用者の要望にあわせてプログラムを作っていましたが、ワープロや表計算、グラフィックソフトなど誰でもよく使いそうなソフトを売り出すことで商売が大きくなりました。汎用ソフトとかパッケージソフトなどと呼ばれています。
●いまではワープロレベルの大きなプログラムを個人が作ることはありえませんし、その必要もないのですが、ワープロや表計算などで作業を自動化するために小さなプログラムを書くことはあり得ます。また、html の中に、プログラムを書いて動きのあるページをつくったり、見る人の反応に合わせて表示を変えたり、情報を収集するようなことができます。このようなプログラムはマクロとかスクリプトとか呼ばれています。
●プログラムはコンピュータに人間がやらせたいことを書いたものです。コンピュータに人間の意思を伝える言葉のようなものなのでプログラム言語と呼ばれることがあります。人間の言葉にも日本語や英語、フランス語、中国語といろいろあるようにプログラム言語にもいろいろな種類があります。
●思いつく限り書いてみてもかなりの数の言語があります。
PL-1 FORTRAN COBOL BASIC C C++ pascal lisp prolog JAVA JavaScript perl ruby python PHP
●気をつけてほしいのは、ここにあげたのは言語の種類であって具体的なシステム(この世界では「実装」といいます)とは異なるということです。たとえば、Visual-BASIC というのはマイクロソフト社の製品で、BASICの数ある実装のなかのひとつです。他にも富士通ミドルウェアの製品でF-BASICというのがありますし、BASIC98、trueBASIC、(仮称)十進BASICなどたくさんあります。言語でいうとこれらは実際に話されている言葉ということになります。完全な日本語を話す人はいないのと同様に、これらの実装はそれぞれ「なまり」や「くせ」があります。
●Delphi(デルファイ)はボーランドのプログラミング言語のソフトですが、一般にこれはPASCALというプログラミング言語の実装と考えられます。かなりの拡張をしているので名前を変えたのでしょうが、プログラミング言語の種類としては認識されていません。
●この授業でつかうのは白石和夫さんが作った(仮称)十進BASICです。国際規格のFull BASICに準拠しているほか、独自の拡張として複素数や多桁の有理数の計算を行うモードもあり、数学で道具として便利になっています。