メールの書き方には昔からの習慣があります。最近急激に普及したので、昔からの習慣を知らない人もたくさんいます。習慣はみんなが自分と相手が共に便利であるように考えることからつくられていくものなので、強制されるものではありませんが、いままでの習慣にもそのようになったそれなりの理由があります。特に、引用を使って返信する場合の習慣について考えてみましょう。
メールが来ました。短く改行して、最後に署名がついています。
今後の練習の日程は次のようになっています。 ご都合をお伝えください。 6月10日 15:00~ 会議室Aにて 6月13日 16:00~ 会議室Bにて 6月15日 15:00~ 小ホールにて -- foo foo@st.seiai.ed.jp
hoge さんが返信ボタンを押すと次のようになります。
foo さんは書きました:
>今後の練習の日程は次のようになっています。
>ご都合をお伝えください。
>6月10日 15:00~ 会議室Aにて
>6月13日 16:00~ 会議室Bにて
>6月15日 15:00~ 小ホールにて
>--
>foo
>foo@st.seiai.ed.jp
fooさんが書いた部分が行頭に > をつけて表示されます。この部分を引用といいます。
メールソフトによっては縦線で表示されたり、色つきで表示されます。Thunderbirdでもそうなっていますが、これについては後で改めて説明します。
「foo さんは書きました:」の部分はメールソフトにより異なります。「foo wrote:」の日本語訳です。
メールの習慣では、引用を上手に使って手間を省きます。つまり、 引用のうち使える部分を残して返事を書き加え、次のように返信します。
お勧めの返信の仕方です。 ↓
>6月10日 15:00~ 会議室Aにて OKです。 >6月13日 16:00~ 会議室Bにて すみません。この日は参加できません。 >6月15日 15:00~ 小ホールにて 16時からにしてもらえませんか。 -- hoge hoge@st.seiai.ed.jp
日付と時間は foo さんが書いたものをそのまま使うので、書き直さなくてもいいので楽ができ、その上書き間違いがおこりません。
不要な部分は消します。特に相手の署名を残さず、自分の署名をいれます。
返信をすると、さらに > をつけて表示されます。すでに > がついていたところは >> になります。やはり使える部分を残して返事を書いています。
>>6月13日 16:00~ 会議室Bにて >すみません。この日は参加できません。 じゃあ、6月12日 16:00~ ではどうでしょう。 >>6月15日 15:00~ 小ホールにて >16時からにしてもらえませんか。 わかりました。16時からということにします。 -- foo foo@st.seiai.ed.jp
やはり、返信では相手の署名を残さず、自分の署名をいれます。
Thunderbirdで返信すると > が縦線になって、次のように表示されます。それでも説明を > でしたのは、 > という文字が本当に挿入されて送られるからです。本当に相手が書いた文でなくても行頭に > を付ければ、引用として取り扱われます。
Thunderbirdの引用の表示は最後に空行が1行つきますので、どうも好きになれません。
さらに返信するとこうなります。
Thunderbirdでも、>を使いたければ次のように編集時の設定を変えます。
相手の文章を全部引用する人がいます。メールソフトが自動で出したものを消すのをためらう場合が多いかと思いますが、無駄です。
昔からメールを使っている人はこのような「全文引用」を嫌う場合が多いようです。「自分の言ったことはちゃんと覚えとけよ」と言われているように感ずるのかも知れません。
おすすめしません ↓
6月10日はOKですが、
6月13日は参加できません。
6月15日は16時からにしてもらえませんか。
--
hoge
hoge@st.seiai.ed.jp
----- Original Message -----
From: <foo@st.seiai.ed.jp>
To: <hoge@st.seiai.ed.jp>
Subject: 練習日程について
>今後の練習の日程は次のようになっています。
>ご都合をお伝えください。
>6月10日 15:00~ 会議室Aにて
>6月13日 16:00~ 会議室Bにて
>6月15日 15:00~ 小ホールにて
>--
>foo
>foo@st.seiai.ed.jp
ただしビジネスの世界では、上記のように上部に自分の返信を書き署名も付け、その後に--- Original Message ----などと書いて(あるメールソフトは自動でやる)相手の文を手を加えずに全文引用する場合があります。お互いの理解が食い違った時に後で確認しやすいようにするという意味があるのかもしれません。
しかし、実際は--- Original Message ----の後に何が付いているか気にしない人が多いようで、返信を繰り返すうちに、お互いの引用が交互についてどんどん長くなっている例も多いようです。これは無駄に通信量を増やしていることになります。
上の例では引用は後ろにありますし、--- Original Message ---- と書いてあるのでこの後は自分の書いた部分ですから読まなくてもよいとわかります。しかし、下の例では読んでみなければわかりません。fooさんの書いた部分が長い場合、とても読みにくくなります。
やってはいけません ↓
>今後の練習の日程は次のようになっています。
>ご都合をお伝えください。
>6月10日 15:00~ 会議室Aにて
>6月13日 16:00~ 会議室Bにて
>6月15日 15:00~ 小ホールにて
>--
>foo
>foo@st.seiai.ed.jp
6月10日はOKですが、
6月13日は参加できません。
6月15日は16時からにしてもらえませんか。
--
hoge
hoge@st.seiai.ed.jp
今までの習慣は、お互いの手間を省き、送信量も減らすように考えた結果の習慣でした。コンピュータやネットワークの条件も変わりますから、これからもお互いに相手のことを考えて、合理的なやり方を習慣にしていきましょう。コンピュータだから自動でやってくれるだろうとそのままにすると、双方が不便なまま不合理な習慣になってしまう可能性があります。