2007年入試(社会)
解説
正解率の低かった問題を中心に解説をします。
1
- (4)
- 赤道は,アマゾン川の河口を通ります()。アジア,アフリカでの赤道の位置も確認しておくとよいでしょう。
- (5)
- 正解は,ペルー海流です。この海流が流れる地域は漁業がさかんで,漁獲量は,ペルーが世界第2位,チリが世界第6位(2003年)となっています。
2
- (2)
- 「ルール地方」,「豊富な石炭」,「ライン川」などのことばから,この国はドイツであると判断できます(正解)。
- (3)
- 「山地が海に沈んだことによってできた,複雑に入り組んだ海岸線」が,リアス式海岸を示しているということが分かれば,三陸海岸を選ぶことができます(正解)。ちなみに地図中のXは,リアスバハス海岸という名前です。
- (4)
- 食料自給率は,100をこえている場合にはその品目を輸出している,100未満の場合には輸入していると見ることができます。フランスが小麦の輸出国であることを考えると,穀物類の自給率が100をこえている
がフランスであると判断できます。
はオランダ(肉類,牛乳乳製品を輸出しているのはフランスと似ているが,穀物類は輸入している),
は日本(ここにある品目すべてを輸入に依存している),
はイタリア(地中海沿岸で果実類の生産・輸出に特徴がある)となります。
- (5)
- 地図中Yのエジプトでは,イスラム教が最も多くの人に信仰されています。選択肢の国で,最も多くの人がイスラム教を信仰しているのは,インドネシアです(正解)。インドではヒンドゥー教が,フィリピンではキリスト教が,タイでは仏教が最も多くの人に信仰されています。
3
- (1)
- aは,高原野菜(キャベツ・レタス)や,高い標高などの記述から群馬県(または長野県)であると判断できます。bは,中尊寺金色堂(奥州藤原氏)や,やませなどの記述から岩手県であると判断できます。cは,最上川や,米どころ庄内平野などの記述から山形県であると判断できます。よって,地図中の道すじ(東京を出発して東京に帰ってくる矢印)の順にならべると,b→c→aとなります(正解)。
- (2)
- 正解。津軽地方のリンゴのことを考えれば分かりやすいと思いますが,収穫した農作物は,地元(産地)で貯蔵しておき,その時々に応じて東京などの市場(消費地)へと出荷されるのが一般的です。東京近郊に貯蔵庫を持って,長い期間たくさんの農作物をたくわえておくのは,土地代,賃貸料,人件費などの費用が高く,採算があわないのです。
- (3)
- 正解。青森県はほたて,静岡県はうなぎ,三重県は真珠,佐賀県はのりの養殖が有名です
5
- (2)
- 18世紀半ばころから、ロシアが樺太や千島に姿を現すようになります。こうした事態を警戒した江戸幕府は、間宮林蔵らに樺太を探検させます。(正解)この際、発見された間宮海峡を地図で確認しておきましょう。
- (3)
- 綱吉の時代におこなわれた寺院建設は、幕府の財政不足の原因の1つになりました。(適切)蘭学は、オランダ語で西洋の文化を学ぶ学問、現実社会の道徳や社会のあり方を教える学問としては、儒学が正しいです。(正解)
- (6)
- 13世紀のはじめ、モンゴル民族を統一し国家を建設したのが、チンギス・ハンです。その孫、フビライ・ハンは、都を大都(北京)に移し、国号を元と定めて皇帝になりました。(誤り)
空海や最澄が仏教を学びに向かったのは、9世紀の初めのことで、当時、中国の国家は、元ではなくて唐です。(誤り)
6
- (1)
- 「人間に値する生存」は、社会権を最初に認めたドイツのワイマール憲法にみられる表現です。(誤り)
人権相互の衝突を調整する原理が「公共の福祉」です。経済の自由は「公共の福祉」により一部制限を受ける場合があります。(誤り)
7
- (5)
- 地球温暖化や酸性雨、砂漠化など、地球はその生態系を破壊しかねない数多くの問題をかかえています。このような地球環境問題への対策のため、さまざまな国際協力が行われてきています。
1992年には国連環境開発会議(地球サミット)がリオデジャネイロで開かれ、環境と開発について話し合われました。この会議には、180以上の政府代表と8000以上のNGOが参加し、環境と開発に関する基本原則であるリオ宣言が採択されました(誤り)。さらに1997年には、地球温暖化防止京都会議が開かれ、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減を先進工業国に義務づける京都議定書が採択されました。しかし、発展途上国は二酸化炭素の削減目標の設定には同意せず、世界最大の排出国であるアメリカも京都議定書から離脱しました(誤り)。
一方で、開発については、「環境や資源を保全し、現在と将来の世代の必要をともに満たすような開発」が提唱されています。2002年に「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(環境開発サミット)がヨハネスバーグで行われ、地球サミット以来の世界の行動計画の見直しや経済問題の話し合いが行われました(正解)。
弘前学院聖愛高等学校
http://www.seiai.ed.jp/