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2014年入試(理科)

解説

1

(1)
プレパラートと対物レンズの衝突を防ぐため、対物レンズをステージから遠ざけながらピントを合わせる。
(2)
倍率が4倍なので、縦、横の長さは1/4倍になる。したがって視野の広さは1/4×1/4となる。
(3)
ア Aは花粉、Bはおしべ、Cは種子、Dはめしべであり、顕微鏡を使って見ているものはAの花粉である。

2

(1)
14時の風向は南西、風力3、天気は晴れ。記号は、風向は風の吹いてくる方向に線を引いて表し、風力はその線の右側(Fの形になるように)に表わしていく。○は快晴である。
(2)
寒冷前線が通過すると、冷たい空気の範囲に入れ替わるため気温が急激に下降することが多い。15時から16時にかけて気温が14.0℃から9.8℃と大きく下がっており、この時間に寒冷前線が通過したものと推定できる。
(3)
気温14.0℃、湿度78%の空気に含まれる水蒸気の量は、12.1g/m3 ×0.78=9.438g/m3
(4)
露点は、空気中に含まれる水蒸気の量によって決まるため、露点が最も低い時刻は、水蒸気量が最も少ない時刻ということになる。また、飽和水蒸気量は気温が高いほど多くなるため、同じ湿度でも、気温が高ければその中に含まれる水蒸気量は多いことになる。
9時 7.8×0.55=4.29 (g/m3)
11時 8.8×0.55=4.84 (g/m3)
13時 12.1×0.65=7.865(g/m3)
15時 12.1×0.78=9.438(g/m3)
17時 8.3×0.70=5.81 (g/m3)

3

(1)
仕事〔J〕= 力の大きさ〔N〕× 距離〔m〕なので, 30×0.3=9.0〔J〕
(2)
てこを用いても仕事の大きさは同じである。10 × x/100=9.0 x=90〔cm〕
(3)
仕事率〔W〕=仕事〔J〕/時間〔秒〕なので, 9.0/6=1.5〔W〕
(4)
Aにはたらく力×AB間=Cにはたらく力×BC間なので, 30×60=10×BC BC=180〔cm〕
よって,AC=60+180=240〔cm〕=2.4〔m〕

4

(1)
ポリエチレンテレフタラートはプラスチックである。よって、物質の分類では有機物であり非金属。密度が水より大きいので水に沈む。
(2)
Aは無機物、Bは有機物。ポリプロピレンはプラスチックである。よって、物質の分類では有機物であり非金属。
(3)
①は誤り。薬包紙は、両方の皿に乗せる。

5

(2)
消費電力〔W〕=電圧〔V〕×電流〔A〕なので,電流の大きさをxとすると,10=5×x x=2〔A〕 となる。次にオームの法則より,抵抗の大きさ〔Ω〕=電圧〔V〕/電流〔A〕なので,10/2=5.0〔Ω〕
(3)
電熱線A(消費電力10W)の温度上昇は7.4℃,電熱線C(消費電力15W)の温度上昇は11.1℃である。電熱線B(消費電力30W)の温度上昇は,Aの3倍またはCの2倍になることから22.2℃になる。よって,アにあてはまる温度は,14.8+22.2=37〔℃〕
(4)
電熱線AとBを並列にすると,その消費電力は10+30=40〔W〕になる。よって,Aの温度上昇を4倍すればいいので,7.4×4=29.6〔℃〕

6

(1)
明るくなると瞳の大きさは小さくなり、暗くなると大きくなる。
(2)
④ 感覚器官からの信号がせきずいに伝わると,せきずいから筋肉に命令が伝わるから。これは屈筋反射といい、感覚神経からの情報が大脳まで伝わらないで、脊髄から運動神経を通ってすばやく反応することである。
(3)
まず、子の産み方からCが哺乳類のイルカということがわかる。次に呼吸器官からEは幼生と成体で分かれていることから、Eが両生類のイモリ、Bはイモリの幼生と同じえら呼吸なので魚類のメダカ、A,Dは肺呼吸をしていることがわかる。そして体温の保ち方からCイルカと同じ恒温動物であるAは鳥類のペンギン、残るDは爬虫類のヤモリということになる。

7

(1)
ア.振幅が同じものを選べばよい。①と③イ.振動数が同じものを選べばよい。①と④
(2)
0.6秒という時間で音が進んだ距離は, 340×0.6=204〔m〕
Bと校舎の壁の距離は,音が進んだ距離の半分であり, 204/2=102〔m〕となる。
よって,AB間の距離は, 510-102=408〔m〕となる。

8

(1)
初期微動継続時間は、震源までの距離に比例する。従って、最も近いところは、初期微動継続時間が最も短いA地点と考えられる。
(2)
P波とS波の性質の違いを利用することで、震源までの距離を推定することができる。
(3)
初期微動を伝える波(P波)が、地震発生からA地点に到着するまでの時間が25秒となるので、速さ7km/秒のP波が伝わる距離は、7×25=175〔km〕となる。
(4)
地震そのものの規模を示す数値はマグニチュードで表される。震度は各地点におけるゆれの大きさを表す。
 

9

(1)
AからBに向って電子が流れたということから、Aが負極、Bが正極となる。表の中で正しい組み合わせは③である。亜鉛板が溶け出して亜鉛イオンとなり電子を放出し、その電子が導線を伝わり銅板へ移動する。この電子は水溶液中の水素イオンと結びついて銅板の表面から水素が発生する。
(2)
塩化銅水溶液中には、陽イオンの銅イオン(銅(Ⅱ)イオンと陰イオンの塩化物イオンが含まれている。電気分解を行うと、陰極には陽イオンの銅イオンが引きつけられ電子を受け取って銅となって付着する。陽極には陰イオンの塩化物イオンが引きつけられ電子を放出して塩素となって発生する。水溶液中に銅イオンがあると水溶液は青色になる。電気分解が進むにつれて銅イオンが少なくなるので、青色も次第に薄くなっていく。
(3)
非電解質の水溶液は電流が流れない。③のエタノールは非電解質であり電流は流れない。また、酸とアルカリの電解質水溶液が中和反応した後、水溶液中のイオンが結合して、水に不溶の塩を作る場合がある。この時も水溶液中にイオンがなくなるので電流が流れない。⑦の水酸化バリウム水溶液とうすい硫酸による中和反応では、バリウムイオンと硫酸イオンが結合して、水に不溶の硫酸バリウムをつくり沈殿する。このため、中和後の水溶液中にはイオンがなくなり電流は流れない。

10

(1)
アは卵細胞の遺伝子をきいているので、減数分裂により半分のRとなる。子Dは無性生殖によってできているので親Aと同じ遺伝子をもつ。
(2)
子Cを自家受粉すると、その種子はAの形質:Bの形質=3:1となる。Bの形質が132個あるので、Aの形質は132×3=396個となる。

11

(1)
この日の金星の動きということは、日周運動を考えればよい。日本の緯度の西の空ではおよそエの角度で動いていく。
(2)
天体望遠鏡では上下左右が逆に見えるので、実際には右側が光って見えていることになる。つまり、右側(西側)に太陽があることになるので、金星は地球から見て太陽の左側(東側)にあり、しかも半月状なのでキの位置となる。カは満月に近い形に膨らんで見える。
(3)
太陽面通過が見られる惑星は、地球より内側を公転している内惑星である。月も地球と太陽の間の位置に来ることがあり、これを月食というが、月は衛星である。
(4)
金星は常に太陽の近くを公転しているので、明け方に金星が見られるのは、金星が太陽の西側(右側)に位置している時であり、太陽より先に東の空に見えてくる。

12

(1)
マグネシウムと酸素は3:2で化合することから、もしマグネシウムが3gあるとすれば、化合した酸素は2gになる。一方、銅と酸素は4:1で化合することから、マグネシウムと同じ質量である3gの銅と化合する酸素は、酸素をA〔g〕とすると、4:1=3:Aとなり、A=3/4〔g〕となる。よって、同じ質量のマグネシウムと銅に化合する酸素は2gと3/4〔g〕となり、マグネシウムと化合する酸素を1とし、銅と化合する酸素をxとすると次の関係式が成り立つ。2:3/4=1:x x=3/8
(2)
5.0gの銅が加熱後に6.0gになったことから、増加した1.0g分は酸素であることがわかる。1.0gの酸素と化合する銅をx〔g〕とすると次の関係式が成り立つ。4:1=x:1.0 x=4.0 よって、5.0gのうち酸素と化合した銅が4.0gであるから、反応しなかった銅は5.0-4.0=1.0〔g〕となる。
(3)
銅粉とマグネシウム粉の混合物6.5gが加熱後に10.0gになったことから、増加した3.5g分は銅粉とマグネシウム粉に化合した酸素の合計の質量であることがわかる。最初にあったマグネシウム粉をx〔g〕とすると、銅粉は(6.5-x)〔g〕となる。それぞれに化合する酸素を求めると、マグネシウムと化合する酸素(A〔g〕)は、3:2=x:AよりA=(2/3)x〔g〕、銅と化合する酸素(B〔g〕)は、4:1=(6.5-x):BよりB=(6.5-x)/4〔g〕となる。よって、それぞれに化合した酸素の合計の質量3.5gは(A+B)〔g〕であり、(2/3)x+(6.5-x)/4=3.5 x=4.5g

13

アの実験:
  アルミニウムは酸にもアルカリにも溶けて水素を発生する金属である。よってA,B,D,Eは①酸,③アルカリ,⑤アルカリ,⑥酸のいずれかである。
イの実験:
  スチールウール(鉄)は酸に溶けて水素を発生する金属である。よってD,Eは①,⑥のいずれかである。
ウの実験:
  加熱をして水分を蒸発させて結晶が残るのは②砂糖③水酸化ナトリウム④食塩⑤水酸化カリウムである。よってA,B,C,Fは②③④⑤のいずれかである。
エの実験:
  ア~ウの実験によりBは③か⑤のいずれかであり、Eは①か⑥のいずれかである。よってBとEを組み合わせる方法は4通りあり、それぞれについて考えてみると
③水酸化ナトリウム水溶液と①うすい塩酸では中和反応後、水を蒸発させると塩化ナトリウムの結晶が残る。
③水酸化ナトリウム水溶液と⑥うすい硫酸では中和反応後、水を蒸発させると硫酸ナトリウムの結晶が残る。
⑤水酸化カリウム水溶液と①うすい塩酸では中和反応後、水を蒸発させると塩化カリウムの結晶が残る。
⑤水酸化カリウム水溶液と⑥うすい硫酸では中和反応後、水を蒸発させると硫酸カリウムの結晶が残る。
Fはア,ウの実験により②砂糖水か④食塩水のいずれかであり、4通りの組み合わせの中でこれと一致するのは③と①の組み合わせで生じる塩化ナトリウム(食塩)である。
以上からFが④、Bが③でEが①となる。よってイの実験よりDが⑥となり、アの実験よりAが⑤となる。

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弘前学院聖愛高等学校
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