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モスクワクラッシックバレエ団
吉田むつきさん

吉田むつきさんは97年卒。現在はモスクワクラシックバレエ団に所属され、主に海外で活躍されています。このほど、ヒロサキバレエカンパニー創立35周年記念公演に主役として出演されるため帰国されました(公演は2004年1月27日に終了いたしました)。お忙しい中、学校に来て頂きインタビューさせていただきました。卒業後、初めての学校訪問だそうです。

高校卒業後の歩み

モスクワに行くきっかけはなんですか

吉田むつきさん

吉田むつきさん

たまたま、バレエの先生である青山洋子先生とモスクワのバレエの方との交流があって、8月にオーディションがあることを教えてもらいました。受けたら合格してしまって、モスクワに行くことになりました。本当に運がよかったです。

留学する前の心境はいかがでしたか

ロシア語なんて全く知らないわけだし、教えてもらうところもありませんでした。また留学までの時間も少なかったので、モスクワで生活できるかどうか心配でした。なにせ「こんにちは」も言えない状態でしたから。バレエよりそちらの方が心配でした。でもやるしかないと開き直り行きました。

実際ロシアに行っていかがでしか

「いっぱい、いっぱい」でした。ロシアはバレエの伝統のある国です。その伝統を重んじる指導を受けるのですが、それが大変でした。日本人は「演技は出来るけれども基礎がない」と、枠にはめられる指導が続きました。それに、まわりのロシア人の生徒にとってみれば、この学校を卒業するということは、バレエのプロとして公務員になるということです。ですから、我々とは感覚が違うことに戸惑いを感じました。卒業試験が国家試験です。

どのくらいで言葉が話せるようになりましたか

寮生活だったのでバレエに関する言葉は3週間くらいで慣れましたが、日常生活では1年くらいかかりました。それでもまだおかしいロシア語を話していると友だちに言われます。

高校時代の思い出

吉田むつきさん

高校時代は今の自分にどう影響していますか

留学して、日本のよさがよくわかりました。それと同じように、聖愛に入学してバレエのよさがわかったような気がします。バレエを外から見ることが出来たのがよかったです。また、少しの間ですが新体操部に所属しました。そこで大和智子先生に体を柔らかくするということを教えてもらい、それがバレエにも活かされました。

高校時代印象に残っていることはなんですか

礼拝です。当時はどうでもよかったし、聞いてないつもりだったのですが、例えばモスクワに留学して、先生に怒られて、友だちが慰めてくれたことがあったんです。その時に「この話どっかできいたぞ」って思ったんです。それが、礼拝の時に聞いた話と一緒だったりするんです。聞いてなかったつもりでも、残っているんですね。でも、覚えているということは聞いていたということなんでしょうけど。(笑)そんな場面が何度かありました。私はモスクワでは外国人です。それを意識させられることが多いんです。慰めてくれるともだちはロシア人だし、諭してくれる先生もロシア人です。その人たちの言葉が、聖愛で聞いた礼拝の記憶を思い出させるのです。ロシア正教の文化ですが、なにかベースになっている部分は一緒なんだな、と感じることがあります。

バレエについて

モスクワクラシックバレエ団について教えてください

ロシアを代表する国立のバレエ団です。男女それぞれ40人くらい、あわせて約80名の団員がいます。ロシア国内はもとより、世界各地で公演を行っています。昨年はヨーロッパ、中北米、インド、中国などで公演を行いました。「スパルタクス」という昔からある演目があるのですが、昨年モスクワクラシックバレエ団の演出家が数十年ぶりにそれを一新し、新しい演出で上演にのぞみ、話題になりました。

モスクワクラシックバレエ団出身のダンサーを教えてください

ヴラジミール・マラーホフをはじめ、イレク・ムハメドフなどスターダンサーを多数輩出しています。現在はエカテリーナ・ベレージナ、ヴラジミール・マラヴィリョフなどが主力として活躍しています。

ヒロサキバレエカンパニー創立35周年記念公演について意気込みを聞かせて下さい

今回の演目は「白鳥の湖」全四幕で、主役オデット役をやります。本当はオディール役のほうが向いていて、イメージがわいてくるんですが、先生(青山洋子先生)はあえて私に向かない役を演ずるチャンスを与えてくださいました。演技の幅を拡げなさいという親心だと思います。ロシアでもオデットをやるといったら「役を変えてもらいなさい」といわれました(笑)。帰国してからあまり時間がなく不安な面もありますが、思い切って演じます。

どんなバレリーナをめざしていますか

吉田むつきさん
自分らしくその役を踊れるようなダンサーになりたいと思います。他の人が同じ役をやっても、私がやれば「吉田むつきが演じている」とわかるような演技が出来ればと考えています。難しいことですが頑張ります。

今後の活動予定を教えて下さい

モスクワに行ったら二月に25日間公演が待っています。三月にはポルトガル、四月にはスペインで公演がある予定です。

プロフィール

6歳からヒロサキバレエカンパニーでバレエを始め、高校卒業後、ボリショイバレエ学校に2年間留学。ソフィアゴロフキナ師に師事しバレエの勉強をし現在に至る。

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弘前学院聖愛高等学校
 http://www.seiai.ed.jp/