北の演劇祭 '05

こんにちは。聖愛高校演劇部です。さる12月17日(土)18日(日)に、秋 田県小坂町で開催された「第三回北の演劇祭」に参加してきました。会場は重要 文化財に指定されている明治の芝居小屋「康楽館」。貴重な体験になりました。 この頁を御覧の皆様も是非一度、康楽館へ足をお運び下さい。


康楽館二階から見た舞台です。よく見えませんが天井の作りやライトは洋風で す。舞台をくるりと廻すことができますが(人力で)今回は使用しませんでし た。舞台の奥に楽屋があり、壁にこれまで訪れた役者さんたちが、サインをして います。


これも舞台の様子。左手に見えるのが花道。花道の途中には「すっぽん」という 穴があって(もちろん普段は閉じていますが)、そこから役者が出てくることが できます。


客席はすべて畳で、小さな座布団を敷いて座ります。写真中央に細長い橋のよう なものが見えますが、黒子の衣裳を着た人がここを渡り歩き、飲み物やお菓子を 売ります。上演中は飲食自由なんですね。おそばも運んでくれますし、事前に注 文すれば豪華芝居弁当を食べることもできます。


収容人数は二階まで含めるとおよそ300人。冬場は二階の方が暖かいのでお勧 めです。古い建物なので通気性がとーってもよいので、厚着をして出かけましょ う。だって、緞帳を開けた途端に冷気が客席に押し寄せてくるんですから。


「北の演劇祭」は高校の演劇部2校と社会人の劇団2団体が上演します。ほかに 小坂町の地元の方々が有志で短い芝居を作り、演じています。今年は弘前の劇団 「清水小僧(せいすいこぞう)」の二人(写真)が協力していました。


上演前のミーティングです。宿舎を出る前に、念入りに確認!芝居がつまらない とお客様はおやつを食べながら世間話を始めるというシビアな劇場であることを 知ってしまったので。


上演作品は「Big Mama」。3年の秋元彩香が脚本を書きました。娘二人 の旅立ちのお話ですが、劇中劇が織り込まれています。この写真の中央に見える のは「さくらんぼ太郎」…。劇中劇その1です。


18歳のゆきと22歳のあき。二人はそれぞれ家を離れて自分の道を進もうとし ています。出発前夜、母は二人に絵本を読んであげると言い出します。


劇中劇その2は「もちもちの木」。豆太という5歳の男の子が、爺さまのために 勇気を振り絞るお話。かなり脚色してありますが…。ちなみに倒れているのは原 作にはまったく登場しない「リス」です。


二人が家を出発する時に、突然母が行く手を遮ります。「行くならこの母を倒し ていきな!」母はあっさり娘達に倒されます。このあと劇中劇その3「大きな 木」が語られ、母の大きな愛を感じて娘たちは旅だっていきます。


カーテンコール。外気温と変わらない(たぶんマイナス)舞台での芝居を終えて 感無量。もとい、歴史と伝統ある建物で芝居ができて感無量の部員でした。客席 からは「ブラボー!」の声。さすが明治の芝居小屋…?


上演を終えて、康楽館の前で記念撮影。大雪警報が出され、無事弘前に帰り着け るか心配しつつ「康楽館饅頭」「回り舞台煎餅」をお土産に、康楽館を後にしま した。主催者、スタッフ、康楽館の皆様ありがとうございました。


弘前学院聖愛高校
http://www.seiai.ed.jp/