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2016年入試(国語)

解説

問三
傍線部「で」は助動詞
    ①は助詞、②は形容動詞「きれいだ」の連用形の一部、
    ③は接続助詞、④が助動詞、よって正解は④
問四
傍線部「観点」の熟語の構成は、修飾語+被修飾語、よって正解は③

「古文」の問題
「枕草子」の冒頭からの出題     解説省略

「小説」の問題
問二
本文2行目に「絶対、と言わせたら負けだ。遥名は慎重に父の出方を待っていた。」とあり、傍線部2の直前でも、父が「絶対」という言葉を口にしなかったことにほっとする遥名の様子が描かれている。 「絶対」という言葉が遥名にとって重く厳しい意味をもつ言葉であることがうかがえる。傍線部2以降の「絶対」という言葉の説明の中から、「一文」で「十五字」という条件に合うものを探す。正解は 「絶対というのは断固とした意志だ」
問三
「絶対は絶対を呼ぶ」という表現における、前者と後者の「絶対」が、それぞれどういうことを指しているのかを読み取る。傍線部3直後に「絶対に行くと宣言して、絶対に駄目だと反対されたら、家を出るしかない。それは嫌だった。」とあり、そこが手がかりとなる。前者の「絶対」は、遥名が「東京の大学に絶対に行きたいと言うこと」を意味し、後者の「絶対」は、父が「東京の大学に行くのは絶対に駄目だと言うこと」を意味する。つまり、遥名はここで自分が「絶対」という言葉を口にすることで、それが呼び水となって、父も「絶対」という言葉を使って反対することを恐れているのである。正解は②
問四
「絶対」という言葉は、遥名にとって「何が起きても必ず」守らねばならぬ、「覚悟」のいる「断固とした意志」を表すものである。遥名が東京の大学に行きたいという理由は、傍線部4直前の段落にあるように、「きらきらした何か」に出会いたいという、自分にしかわからない思いによるもので、それが「絶対に必要なのか」と問い詰められれば答えることは難しく、説得力のあるものではない。しかし、その「きらきらした何か」は遥名にとって「ほんとう」に必要としているものなのである。今の遥名にとっては「絶対」という言葉よりも、「本当に、切実に」という意味の「ほんとう」という言葉の方がより身近で大事に感じられるのである。正解は④
問五
「ウォーターベッド」を遥名は見たことがないが、次のように想像している。「大きな透明のマットに、水が詰まって」「こちらから向こう側は見えるし、向こうからもこちらは見えている」「障害物というほどの障害物には見えない」「触れると、ぼよよんと跳ね返される。相手が触れても、ぼよんと揺れるだけで、こちらには届かない」これらの表現は、父を説得できないもどかしさとともに、父の方でも、娘の自分に東京の大学に行かせたくないという思いが届かずにもどかしいだろうという遥名の想像を表している。双方のもどかしさをイメージしている表現である。正解は①
問六 
「兄との扱いの違い」とはどういうことかを読み取る。ここでは、父の、兄への「扱い」と遥名への「扱い」との違いを指しており、兄へは東京の大学をすんなりと許したのに、遥名へは許そうとしない「扱い」の違いを表している。そのことに対する「不公平感」をなぜ「忘れることにした」のかという問いであるから、遥名にとって、兄と自分への「扱い」の違いからくる不公平を、自分になりに納得した理由を探さなければならない。四つの選択肢の前半は、兄が東京の大学へ行ってから以前の輝きを失ったことが書かれており、さほど違いがないため、選択肢の後半の違いを吟味する。①は文章の内容と合わない。③・④の内容は本文には特に書かれておらず、根拠に欠ける。②は、傍線部7直前にある「『絶対』に東京に行きたい理由をちゃんと持っていれば、行ってからやりたいことがわからなくなることもないんじゃないだろうか」という遥名の気持ちと呼応しており適当である。正解は②
問七 
「なし崩し」とは「明確な基準や具体的な確認もないまま物事をすますこと」をいい、ここでは遥名が東京の大学へ行きたいという「絶対」の理由をはっきりさせないまま、念願だった東京の大学へ行くことが決まったことを指している。そのことを一文で表した箇所を探す。正解は「『絶対』は」
問八 
本文全体を通読し、内容をつかむことができれば難しくない問題である。正解は③

「評論」の問題
問一
(1) 「人為」の意味を問う問題。人為は「自然の成行きのままでなく、人手が加わること。人のしわざ。」よって正解は③
(2) 「画一的」の意味を問う問題。画一的は「何もかも一様で、個性や特徴のないさま。」よって正解は④
問二
A 前の2行に「競争があり~血みどろの闘争もある。~~激しい争いの関係……」とあるが、空欄Aの後では「棲み分けと言う平和共存の方策」と反対の内容が述べられている。従ってここには「逆接=しかし」が入る。
B 「B~~するならば」とあるので、「仮定」を表す「かりに」が入る。よって正解は①
問三
傍線部「それ」の指示内容を確認する。すると直前の一文を指していることが分かる。つまり傍線部は「人間が積極的に幸福を追求し始めたのは長い人類史の中で、おそらく最近のことである。」という意味である。 次に「幸福を追求」するということの具体的内容を読み取る。形式段落3で「農業と牧畜の発明………文明の発達によって幸福が手に入れることができると信ずるようになった。」とあるのだから、文明の発達=自然を改変し、征服・管理すること=農業・牧畜とつながる。形式段落2にもどり、「人類史の中で」狩猟採集の歴史は499万年であるが、農業と牧畜はごく最近始まった新しい生業である、という内容から考えられる。よって正解は④
問四
傍線部の直前にある「農業と牧畜の発明は」もあわせて考える。前述のとおり「農業と牧畜」=「自然を改変し、征服・管理すること」である。 傍線文中の「革命的」というのは、非常に大きな変化をもたらすことという意味である。 ①は「進化するために、欠かすことができない要素」という点が誤り。 ③は「飢え凍えたりすることがなくなったことが、争いのもとになっている」という点が誤り。「革命的事件」は争うことではない。 ④は「環境破壊による危機的な状況は始まっていた」ということは、本文中にないので誤り。 正解は②
問五
傍線部「誰が~予想しえたであろうか」は反語表現である。つまり「誰も予想できなかった」という意味である。 また、傍線部中の「この豊かな状況」の指示語の内容を見れば、直前に「高度経済成長~科学技術~物質文明の発達」とあるのだから、正解は①「モノがあふれる経済大国になるとは、誰も考えられなかったということ」。
問六 
「幼少時代を支えていた環境」とは自然が破壊される前の、豊かな自然が存在していた環境である。20字で抜き出せる箇所を探そう。正解は「野生小動物がけっこうたくさんすんでいた(19字)」環境。
問七 
傍線部の直後に「子どもたちは過剰な情報の網目の中で、もがきながら精神を衰弱させていく。」とある。「クモの巣」を8字で、「体液」を2字で考えれば①「過剰な情報の網目」、②「精神」である。
問八 
「進歩は無欠の善なるものであり、進歩こそ人間を幸福にする呪文であると信じられてきた」とある。「進歩」とは「科学技術・文明」の発達であり、ここでいう「幸福」とは「物質的に豊かな状況」である。②は「人間の進化にとって」という箇所が誤り。「進化」を話題にしているのではない。正解は③。
問九 
最終形式段落に「文明という高度に技術化された乗物」とある。答えは「文明」
問十
設問は「筆者の主張」を問うている。つまり筆者が強く主張している「意見」は何か、である。筆者の意見は本文最後の方に書いてある。 「このまま、無反省に文明が発達し続ければ『カタルストロフ=(悲劇的な結末)』が待ちかまえている」というのである。③は、本文中に書かれている内容には合致しているが、「筆者の主張」ではない。正解は① 

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