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2006年入試(国語)

解説

問六
「源を発している」の主部はどれかと尋ねているので、普通は「何は」・ 「何が」に相当する文節を、この一文から探すことになる。しかし、この 場合は、傍線部の前にある「それ」という指示語に注目しなければなら ない。「それ」とは「不自由さ」をさしていると考えられるので、「それ (=不自由さ)をひどく怖れているところ」から、「何が」「源を発してい る」かという問いになる。一般の人間は、不自由さ(物がない状況)を ひどく怖れているから、いつでも物が豊富にある状況を作ろうとする( =買いあさりをする)のである。つまり「買いあさりにしても、不自由 さ(=物がない状況)をひどく怖れているところに源を発している。」 と考えなければならない。
問九
傍線部直後の一文 「蛙の声を聞きにゆきましょうというような学校はな い。」 がヒントになっている。蛙の声を聞きにゆくという「なまの経験、 比喩でない現実に直接ふれる」ような学校はないということである。つま り「学校教育では、なまの経験より本を読むことによって知識の習得をめ ざしている。」ということを述べているのである。

問八
「何も考えない。何も感じない。そうすれば大丈夫。克久は心を灰色に塗り固めるのが上手になった。」という本文から、「過去を塗り固める」とは何事にも心を動かさないようにすることだと読み取れます。また「どんな部活に入るか考えもしなかった。」とありますから、現在のことで精一杯で、将来への意欲がわかない状態だと考えられるでしょう。

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弘前学院聖愛高等学校
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